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鉄馬的日本縦断鉄道旅行
Vol.1 北海道編

第4日目:帯広〜札幌
狩勝峠の大パノラマ!(根室線;新得〜落合間)
狩勝峠の大パノラマ!(根室線;新得〜落合間)

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2007年8月15日(水)

今日は初日に続いての早起きだ。根室線滝川〜新得間の列車本数の少なさが、その主な理由である。
6時半頃にホテルをチェックアウトして駅へ向かうと、ちょうど改札開始の案内放送が聞こえてきた。案内表示を確認し、青春18きっぷに4日目の捺印をもらって改札を抜ける。ホームに上がると滝川行き普通列車がキハ40×3両という姿で停車中。ずいぶん長いなと思ったが、最後尾の車両は回送扱いの締め切りで、2両目の車両は新得止まりとのことなので、先頭車両の進行方向右側に席を占める。確か狩勝峠の大パノラマを見るにはこちら側が良かったはず。
さてこの列車は池田始発で、ここ帯広で22分停車するのだが、どうやら多くの乗客が入れ替わったようで、3分の1程の席が埋まる乗車率で発車時刻を迎えた。

◆第10ランナー:根室線滝川行き普通(帯広6:56→滝川11:12)
帯広を出た列車は、地平へと駆け下りて帯広貨物駅の脇を掠めていく。遠くにコキが何両か繋がっているのが見えたが、思っていたより寂しい状態だった。
暫くすると貨物駅の線路は減っていくが、すぐ右隣の線路はいつまでも併走している。はて、この辺の根室線は複線だったっけか?とか思い始めた頃、線路脇にある工場へと消えて行った。
芽室を出た辺りから平地が尽き、山がちになる。が、北海道をぐるりと回ってきたからか、それほど目を見張るような景色とは思えない。高原の小さな町といった感じの十勝清水を過ぎて、新得に到着。ここで後部車両を切り離し、見慣れた(?)単行となる。
さて、いよいよお待ちかねの狩勝峠だ。新得を出ると俄かに上り勾配がキツくなり、右下の一段低いところに旧線の跡がチラリと見える。右に左にとカーブを切りながら、原生林の山の中をジリジリと登って行く。と、いきなり視界が広がり、日本三大車窓とも謳われた雄大な風景が目に飛び込んでくる。私にとっては四半世紀振りとなる狩勝峠だが、当時とは何も変わっていない。これから先も、ずっと変わらないで欲しいなと思いつつ車窓を眺めていると、不意に視界を遮られて狩勝トンネルに突っ込んだ。
トンネル内は、開け放っている窓から冷気が吹き込んできて寒いほど。闇の中で石勝線と別れ、トンネルを抜けるとまた原生林の中である。寄り添う川は列車の進行と同じ方向に流れており、列車もいつしか惰行に変わってトコトコと勾配を下っている。
峠の茶店のような雰囲気の落合に着く。新得からは36分も掛かっており、普通列車としては稀な無停車区間である。
更に勾配を下って幾寅に着くと、築堤上のホームから見下ろす駅舎に見覚えがある。それもそのはず、映画『鉄道員(ぽっぽや)』で『幌舞駅』となっていたロケ地なのだった。幌舞・・・ではなく幾寅を出て暫くすると、右の車窓に人造の金山湖が見えてくる。石勝線開通前は、特急[おおぞら]と金山湖を絡めた写真が多く見られた景勝地なのだが、特急が走らなくなって久しいし、金山湖も水量が少なくてみすぼらしい。
次の金山からは空知川に沿って下って行く。広大な田畑が広がり、俄かに民家が増えてきて、北海道の臍と言われる富良野に到着。ここで10分ほど停車するので、跨線橋を渡って改札を出、売店へ立ち寄って駅弁を購入。朝から何も食べておらず、そろそろ空腹を覚えていた。さて、基本的に駅弁という食べ物にハズレは少ないのだが、北海道の駅弁はそのほとんどがアタリである。但し、札幌駅や千歳空港駅などで売っているごく一部のこじ付け駅弁はその限りではないが。
富良野から先も空知川に沿ってのんびりと走って行く。島ノ下から野花南に掛けては滝里ダム建設によってトンネル新線となっているが、川沿いに広がる田畑や点在する住宅地が連なる変化の乏しい車窓だ。その野花南では、側線にラッセル車が留め置かれていた。今はこんなに暑いけど、あと3ヶ月もすると雪が積もって出番が来るのだろう。
腹が膨れたこともあって少々眠くなってくるが、我慢して車窓を眺めていると、道央自動車道をアンダークロスした辺りから急激に街並が広がってきた。そして、右から立派な複線電化の函館線が寄り添ってきて、根室線の起点である滝川に到着。昨日の朝から通算して普通列車4本を乗り継ぎ、根室線の全線を延々と辿ってきたという訳だ。

滝川駅は函館線の特急も停車する駅だが、構内は広いものの何となく活気がない。相変わらず北海道とは思えないほど暑いので、自販機で冷たい飲み物を買って喉を潤す。



さて、ここ滝川から縦断ルートは函館線に移る。
待つこと暫し、岩見沢行き普通列車となる711系3連が入線してきた。本縦断行程初の電車列車であるが、中間ドアとデッキが増設されていて、記憶にあった711系とはずいぶん印象が異なる。乗り込んでみると、炎天下の電留線に停められていたらしく、車内は非常に暑い。手近な窓を全て開けて空気を入れ替えると、少しはましになってきた。

◆第11ランナー:函館線岩見沢行き普通(滝川11:45→岩見沢12:27)
跨線橋から遠い3両目に乗車したので、周りは空席だらけでの発車となった。さすがに電車は加速が鋭く、また路盤も良いので軽やかに走って行く。
砂川に停車する。歌志内線と上砂川枝線が出ていた駅で、確か上砂川枝線は長い長い跨線橋を渡った西の外れのホームに発着していたのだが、その跨線橋は途中でふっつり切れていて両線の面影は全くなかった。
道内では一級幹線の函館線だが、広大な田畑を望む無人駅はひっそりとしている。
平坦路線を走る電車はやはり速く、岩見沢までの42分はアッという間だった。

重厚な駅舎だった記憶がある岩見沢も、今風というか薄っぺらな駅になってしまっていた。が、よくよく考えれば旧駅舎は火災で焼失してしまったので、今のこの状態も止むを得ないのかもしれない。実物は廃止されてしまったが、ホームにばんえい競馬のばん馬の像が残っているのが嬉しい。・・・は良いのだが、暑くて堪らない。次に乗る室蘭線苫小牧行き普通列車が出る1番ホームへ行ってみると、12時40分発の小樽行き区間快速となる721系電車が停車中。なんとも羨ましい冷房車ということで、発車間際まで車内で涼んだ。
区間快速が出て行くと、強い陽射しが照り付けるホームで待つよりない。やがて入線してきた苫小牧行き普通列車も、先ほど乗った711系電車と同様に留置線で憩っていたようで車内は蒸し風呂のように暑い。乗り込むや否や、窓を全開にして扇風機のスイッチを入れるのだった。



◆第12ランナー:室蘭線苫小牧行き普通(岩見沢12:55→苫小牧14:18)
室蘭線の正式な区間は長万部〜岩見沢間だが、道南と札幌を結ぶメインルートから外れた沼ノ端〜岩見沢間は普通列車が細々と走るのみの実質ローカル線となっている。昔は炭鉱路線が多く分岐していて、石炭輸送の貨物列車も多く走っていたのだが、炭鉱が閉山されるのに伴い衰退していったのだ。そんな訳で、非電化ながら一部区間が複線化されていてなかなか風格のある路線だ。
苫小牧行きの普通列車はキハ40の2連で、空席ちらほら程度の理想的な乗車率で長万部を発車。左にカーブを切って函館線と別れると、田園地帯を走り出す。
次の志文からは万字線というローカル線が出ていたのだが、ご多聞に漏れず廃止されてしまっている。東に見える山の麓に終点の万字炭山駅があったはずで、山深い車窓を今でも憶えている。
各駅で数人ずつ降りて行き、徐々に車内は閑散としてくる。相変わらず田園地帯を走って行くが、線路脇に黄色いセイタカアワダチソウの花が乱舞しているのが目障りだ。西日本から大増殖を始めたセイタカアワダチソウが、まさか北海道まで進出しているとは思わなかった。
左から、単線ながら立派な線路が寄り添ってきて追分に着く。今朝、狩勝トンネルの中で別れた石勝線はここに繋がっているのだ。
追分で乗客の入れ替わりがあって、半数程度の座席が埋まるぐらいの乗車率となる。追分を出ると、暫く寄り添っていた石勝線は左に頭を振ってからおもむろに頭上をオーバークロスして行く。1日数本しか列車が走らない室蘭線なのだから、平面クロスで充分だったように思う。
暫くすると、今度は千歳線の上り線が一旦頭上をオーバークロスした後に左から寄り添ってきて沼ノ端に着く。沼ノ端を出ると、左から日高線が寄り添ってきて併走。貨物線らしき線路も何本か見え、なかなか賑やかである。
と、いきなり細かい雨が振ってきたところで苫小牧に到着。

ホームに降りると既に雨はやんでいて、再び太陽が照りつけている。岩見沢より気温も高く、中途半端な雨のお陰で非常に蒸し暑い。冷房の効いている駅ビル内に逃げ込んで、スポーツドリンクを購入して水分補給。こんなに暑いとシッカリ水分と塩分を摂らなくては熱中症になってしまう・・・。
という訳で、街歩きをするつもりだった苫小牧は駅舎を眺めるだけに留め、行程を進めることとする。



ホームに降りてみると。ほしみ行き普通列車となる731系の3両編成が発車準備をしていた。この旅では初めてとなる冷房車で、強めに効いた冷房が心地良い。ロングシートでノーデッキなのでドアは半自動に設定されているのだが、開けたら開けっ放しの気が利かない人が多過ぎて困る。なぜ停車中なのにドアを閉めてあるのか、自分がドアを開けたらその後どうなるのか、少し考えれば解りそうなものなのに・・・
それにしても、ノーデッキで北海道の厳冬期は大丈夫なのか?と些か心配になる。

◆第13ランナー:千歳線ほしみ行き普通(苫小牧14:52→南千歳15:13)
さらりと座席が埋まる程度の乗車率で苫小牧を出た列車は、軽快な足取りで走って行く。沼ノ端までは先ほど来た道を引き返す格好なのだが、キハ40で来たのとは別の路線のような感じがする。
沼ノ端を出ると、まず上り線が遠くに離れて行き、続いて室蘭線が分岐。暫くすると室蘭線をオーバークロスしてきた上り線が寄り添ってくる。ここも今となっては平面クロスで充分なのだが、千歳線開業当時はまだまだ室蘭線の石炭輸送も華やかなりし時代だったろうから、追分の石勝線分岐とは違ってムダとは言わない。
平原の中を暫く走っていると、上り線との間に石勝線の単線が割り込んでくる。先ほど追分で別れた線路で、今日はやけに遠回りばかりしているような感じだ。
暫くすると空港枝線の線路が地下から顔を出して併走し、南千歳に着く。

このまま乗っていれば札幌まで行けるのだが、快速[エアポート]に乗り換えて先を急ごうと思う。緩急接続は北広島で行われるが、次の快速[エアポート]は札幌から特急[スーパーホワイトアロー]になる785系充当の乗り得列車なので、少しでも長く乗ろうと南千歳で乗り換えることにした。
南千歳駅は、元々は国鉄初の空港連絡駅として開業した千歳空港駅で、橋上駅舎から空港ターミナルビルまで長い陸橋で結ばれていた。千歳空港がターミナルビルを移転して新千歳空港となった際、JR北海道は千歳空港駅から新ターミナルビルに直結する地下新線を敷設し、千歳空港駅は南千歳駅と改称され現在の姿になっている。
昔の空港連絡は特急列車が主軸で、エル特急の[ライラック]は勿論、[北斗]や[おおぞら]といった長距離列車もエアポートシャトル切符という格安の割引切符で利用出来たので、札幌〜千歳空港間は酷く混雑した。南千歳駅では、橋上駅舎から陸橋が西側へ不自然に張り出しているのが、当時を思い起こす唯一の痕跡だ。この陸橋が延々と千歳空港のターミナルビルまで繋がっていたのである。
さて、札幌方面行きの快速[エアポート]は、苫小牧方面や石勝線への乗り継ぎを考慮してだろう千歳線上り側のホームに発着する。という訳で、苫小牧から千歳線を下ってきた私は跨線橋を渡っての乗り換え。前述の通り緩急接続は北広島で行われるし、次の千歳で乗り換えればホームを移動する手間は不要だ。

◆第14ランナー:千歳線旭川行き快速[エアポート153号](南千歳15:22→札幌15:55)
5両編成でやってきた快速[エアポート153号]は、空席ちらほらといった状態でよく乗っていたが、うまい具合に窓側の席を確保出来た。先ほどまで乗っていた普通列車より冷房が緩いが、ドアが開くことが少ない快速なのでこれで充分なのだろう。事実、乗った直後は暑くて扇子で胸元に風を入れていたが、札幌に着く頃には少し肌寒さを覚えるほどだった。
千歳線は、実態としては北海道で唯一の幹線だと思う。全線電化複線化されていて、特急も快速も走っているし、普通列車も数多く走っている。
千歳を出ると沿線風景もこれまでより住宅地が多く見える。それも、近代的な新興住宅ばかりだ。ただ、それでも車窓に時折水田が広がったりするのは、さすがに北海道である。
新札幌を出ると右から函館線が寄り添って来、新設の平和駅を通過。線路は併走しているが、函館線には平和駅ホームはない。白石を過ぎ、豊平川を渡って右へカーブを切り、苗穂を通過して林立するビル群を眺めながら高架橋へと駆け上がると札幌に到着である。

道北から道東と巡ってきたので、札幌は大都会のように感じる。というか、札幌は百万都市なので正しく大都会なのである。街の作りは東京っぽくて些か趣きに欠けるが、食いもんは美味いし物価は安いしで、私にとっては機会があれば住みたいと思うほど好きな街である。
久々にがっかり名所を訪れたり、桑名というラーメン屋で味噌ラーメンを食ったりし、札幌の夜を満喫した。



No.
乗車駅
降車駅
路 線
列   車
編  成
乗車距離
10
帯 広滝 川根室線滝川行き普通 キハ40×1
(新得まではキハ40×2)
180.1km
11
滝 川岩見沢函館線岩見沢行き普通711系×3
42.9km
12
岩見沢苫小牧室蘭線苫小牧行き普通キハ40×2
75.8km
13
苫小牧南千歳千歳線ほしみ行き普通731系×3
27.2km
14
南千歳札 幌千歳線快速[エアポート153号]785系×5
44.0km
合計
370.0km
累計
1,428.0km

 

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