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電車王国の底辺を支える普通電車たち
Part.5(山陽電鉄本線/神戸高速鉄道東西線/阪神本線;山陽姫路〜阪神三宮)
山陽姫路発阪神三宮行き普通電車

運転系統一覧(取材時のデイタイム1時間当たり運転本数;高速神戸〜三宮には、阪神の普通列車あり)
 
山 陽 姫 路
須磨浦公園
新 開 地
阪 神 三 宮
直通特急
 
阪神特急
 
普通
 

取材対象列車のデータ
運転区間
中間駅数
走行距離
平均駅間距離
運転時分
表定速度
待避等
山陽姫路→高速神戸
47駅
60.6km
1.26km
124分
29.3km/h
4回

注:赤文字部分をクリックすると、新しいウインドウを開いて写真を表示します。

2002年8月12日(月)

関西民鉄は大手5社(阪急/阪神/京阪/近鉄/南海)と一括りで語られることが多いが、その大手5社に続く規模を誇るのが山陽電鉄である。
山陽電鉄は、本線(西代−山陽姫路)と網干線(飾磨−網干)の2路線を有しているが、本線は神戸高速鉄道を介して阪神/阪急との相互乗り入れが行われている。特に阪神とは、直通特急を4本/h(デイタイム)走らせ、梅田と姫路を直結している。しかし、線形の悪さが災いし、JRの新快速に比べると30分以上も余計に掛かるので、運賃が少々安いぐらいでは太刀打ちできない。
間に神戸高速鉄道を挟んだ3社直通運転でさえなければ、運賃も遠距離逓減が効いて安さを売り物に出来るのだが・・・。

山陽姫路駅は、JR山陽本線の姫路駅北西に位置する山陽百貨店の2階に内包されている。とはいえ、3面4線の頭端式ホームは広々としていてターミナルの風格は充分だ。



山陽姫路駅頭端式ホームの片隅で、11時53分発の阪神三宮行き普通電車が発車時刻を待っている。4両編成のうち3両が、セミクロスシートにリニューアルされた3000系なのだが、各車両に10名も乗っていない。例によって、先頭車の運転室直後に陣取って発車時刻を待つ。猛暑が続いていた京阪神地区だが、今日は未明に雨が降り、曇り空のお陰で気温は高くない。

やがて運転士が乗り込み、定刻の11時53分に姫路駅ホームを後にした。すぐに左へカーブを切って、JR山陽本線をオーバークロスする。JRの姫路駅は高架工事が行われており、左の車窓に真新しい路盤を見ることが出来る。JRが高架化される際には、山陽はJRの南側に姫路駅を移転させる計画になっているらしいのだが、そうなると山陽百貨店とは切り離されてしまう。地下化もカネが掛かるだろうが、なんとかならないものかと思う。
更に山陽新幹線をアンダークロスすると、ゆるゆると地平に降りて最初の停車駅である手柄駅が見えてきた。如何にもローカル然とした駅で、5名ほどを乗せて発車。次の亀山でも5名ほどが乗車する。

一直線で南へ進路を取っていたのが、ほぼ直角に左へカーブを切る。カーブの途中で、左から網干線の線路が寄り添ってきて飾磨に到着。山陽電鉄の要衝であり、特急停車駅でもあるのだが、乗降客は多くない。
市川を渡って妻鹿を出ると、小さなトンネルを抜ける。山陽本線より海に近いところを走っているはずなのだが、沿線風景は山間の住宅地のような感じである。アップダウンも少なくないので、列車は70km/h程度でのんびり走っている。八家を出ると、また峠越えのような雰囲気になって、小さなトンネルを抜けた。

あまりにものんびりした走りで少々眠気を覚える頃、ポイントを渡って大塩駅の待避線に入る。ここで6分ほど停車し、梅田行き直通特急と緩急接続が行われる。気分転換にホームに降りてみるが、それほど暑さは感じない。暫く待っていると、山陽5000系が充当された梅田行き直通特急が入線してきた。

元々多くはなかった乗客のほとんどが直通特急に乗り換えたので、我が普通電車の車内は閑散としてしまった。先頭車は、私を含めて3名のみだ。漸く出発信号機に進行が現示され、再びのんびりした走りが始まる。
海は全く見えないが、伊保駅近辺の川には漁船が係留されているのが見える。海からはそれほど遠くないないのだろう。高砂を出ると、一気に視界が広がって加古川を渡る。沿線には住宅も多く見えるが、どの家にもマイカーがあるようで、車内は相変わらず閑散としている。

久しぶりに高架橋へ駆け上ると別府駅に停車。左に山陽新幹線の高架橋が並んでいて、新幹線ファンなら数時間いても飽きない駅かもしれない。地平に降りて、しばらく住宅地の中を走っていくと、左に電留線が見えてきて東二見駅の待避線に到着。ここで再び、阪神梅田行き直通特急と緩急接続。停車時間は7分もあるので、ホームの喫煙コーナーで一服つける。
乗務員交替が行われるようで、運転士の引継ぎを遠目に眺めていると、山陽5000系充当の梅田行き直通特急が到着した。しかし、乗車/下車/乗り換えとも数えるほどしかなく、東二見に特急を停車させているのは、乗務員交替のついでのようにも感じた。

東二見を出ると、車窓に水田が目立つようになる。少し雲が薄くなり、弱いながら陽射しも出てきたので、緑一色の水田が眩しく感じる。急に市街地に突っ込んだような感じで、西新町を出ると高架橋に駆け上がって明石に到着。ここでも待避線に入り、直通特急と緩急接続するため6分ほど停車する。ホームへ出てみると、少し蒸し暑く感じる。山側にはJRの明石駅が寄り添っており、西明石行きの207系普通電車と肩を並べる
やがて、梅田行き直通特急が到着し慌しく発車。その直後に、JRの明石駅から米原行き快速が発車していくのが見える。持参の時刻表で調べてみると、先ほど発車した直通特急が梅田に到着する14時01分には、既に米原行き快速は新大阪駅を発車しており、この5分後に明石を出る新快速なら既に高槻駅を発車してしまっている・・・。このように、直通特急はスピードではJRに全く歯が立たない。

明石の次の人丸を出ると、地平に駆け下りる。右の車窓に見える山は淡路島なのだが、とても間に海があるようには思えないほど近くに見える。左に併走するJRの朝霧駅をかすめて通過する頃、そのまた左に併走するJRの列車線を前述の新快速が疾走していくのがチラッと見えるが、あっという間に視界から消え去った。
直通特急の通過は恐いだろうと思うほど狭いホームの西舞子を出ると、左にカーブを切りつつJR山陽本線をオーバークロスする。左の車窓にチラッと明石海峡大橋が見えるが、すぐに切通しに突っ込んで舞子公園に停車。海に近いのに山間の小駅のような雰囲気だが、兵庫県外周Vol.2で訪れた時に行われていたホームの改修工事が完成しており、転落防止柵が並んだホームは少し異様な光景である。

更に勾配を登って、山の斜面にへばりつくようになる。垂水では右側にJRのホームが並び、後方から201系普通電車が追い掛けて来ているのが見える。次の東垂水とその次の滝の茶屋は、ホームから海を見下ろすことが出来る絶景のロケーションだが、さすがに海へ行くには不便なのか行楽客の姿は全くない。
次の塩屋もJRと並んでいる駅。こちらが線形の悪いところを走ってきたので、垂水で見掛けた201系普通電車の後姿が、前方はるか遠くに見えた。

右に並走する国道2号線は相変わらずの大渋滞。その向こうに須磨の海釣り公園が見えてくると、再び山中に分け入るような感じで勾配を登り、須磨浦公園に到着。阪神の特急はここまで乗り入れてきており、よくこんな狭いところに敷いたなと思うような、折り返し用の引込み線が敷設されている。
次の須磨で、直通特急と緩急接続のため7分ほど停車する。ここまで来ると、さすがに観光客の姿も多い。ホームの喫煙コーナーで一服つけていると、梅田行き直通特急がやってきた。これが最後の待避となるが、4本全てが山陽車だったのは少し残念。すれ違った直通特急には、阪神8000系や9000系の姿も見られたのであるが・・・。

狭い山道が終わると東須磨。停車中に運転席後方の幕が下ろされ、地下にもぐっていく。さすがに三宮まで先着となるので乗客は多く、西代で全ての座席が埋まった。なお、西代からは神戸高速鉄道の東西線に乗り入れる。
地下なので景色がなく退屈な乗車となるが、各駅での乗降客は多い。新開地では、ホームの向かい側に阪急梅田行き特急が停まっており、接続を取る。
高速神戸で乗務員が交替。ここから乗務するのは、恐らく阪神の社員だろう。西元町、元町と停車し、定刻の13時57分に終点の阪神三宮駅に到着した。


2時間超の長丁場だったが、適度に景色の移り変わりがあって楽しかった。さすがに地下区間は退屈してしまったが、滝の茶屋駅から見下ろす絶景は、特急で突っ走るのが惜しいとすら思えるぐらいで、それだけでも普通電車の楽しさを見出せたものと満足している。
 




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