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電車王国の底辺を支える普通電車たち
Part.3(近鉄京都線/奈良線;京都〜近鉄奈良)
京都発近鉄奈良行き普通電車

運転系統一覧(取材時のデイタイム1時間当たり運転本数;西大寺〜奈良には、奈良線系統の列車あり)
 
京  都
竹  田
新 田 辺
大和西大寺
近 鉄 奈 良
特急
 
快速急行
 
急行
 
普通
 
0(1)

取材対象列車のデータ
運転区間
中間駅数
走行距離
平均駅間距離
運転時分
表定速度
待避等
京都→近鉄奈良
26駅
39.0km
1.44km
71分
33.0km/h
5回

注:赤文字部分をクリックすると、新しいウインドウを開いて写真を表示します。

2001年9月22日(土)

巨大な駅ビルも、いつの間にか風景として馴染んできたように思えるJR京都駅。新幹線中央口は京都駅の南側に位置し、駅ビル自体の喧騒は届いてこないが、さすがに三連休の初日ともなると新幹線から降り立ったと思われる観光客が多くて、少々落ち着かない雰囲気が漂っている。
近鉄京都駅の中央入口は、新幹線中央口に対峙するような位置にあって、乗り換えの便は頗る良い。ところが、なぜか未だに自動券売機が設置されておらず、出札窓口からは「丹波橋2枚」などという声が聞こえてきたりする。
1階の八条口には自動券売機が設置されているのだが、中央入り口に比べると利用者は少ない。

近鉄京都線は、ここから大和西大寺までの路線であるが、別路線への直通運転が多くて、その運行系統は以下のように複雑である。
特急:京都〜賢島(京都線/橿原線/大阪線/山田線/鳥羽線/志摩線)
   京都〜奈良(京都線/奈良線)
   京都〜橿原神宮前(京都線/橿原線)
快急:京都〜奈良(京都線/奈良線)
急行:国際会館〜奈良(京都市営地下鉄烏丸線/京都線/奈良線)
   京都〜橿原神宮前(京都線/橿原線)
   京都〜天理(京都線/橿原線/天理線)
普通:京都〜大和西大寺・奈良(京都線・京都線/奈良線)
   国際会館〜新田辺(京都市営地下鉄烏丸線/京都線)
普通電車は、大和西大寺行きが15分ヘッドで運転されているほか、竹田から京都市営地下鉄からの直通電車が30分ヘッドで新田辺まで乗り入れてくる。そして、大和西大寺行き普通電車のうち、12時台までは何故か1本/hが奈良行きとなっている。
では、11時06分発の奈良行き普通電車に乗車してみよう。

スルKANカードを手に中央入り口の自動改札を抜けると、3面3線の頭端式ホームが広がっているが、頭上に新幹線ホームが位置しているので、天井が低くて暗い。
3線の一番北より、4番ホームで件の奈良行き普通電車が発車準備をしていた。例によって前面展望を楽しもうと先頭車へ向かって歩く。頭端式ホームなので先頭車両まで歩いてくる人は少なく、ほとんど貸切り状態である。
運転台を覗き込んでみると、どうやら新人運転士の営業列車における習熟運転みたいで、見るからに初々しい運転士とベテランの指導運転士の2名乗務。運転台の脇に折り畳み式の椅子を持ち込んで、指導運転士はそちらに着席。
一通りの運行前点検を進めるのを眺めているうちに、発車時刻が近付いてきた。



11時06分、定刻に京都駅を離れた普通電車だが、加速は35km/h程度で終えてソロソロと進む。これは普通電車に限った話ではなく、新幹線の高架橋をアンダークロスするためにキツい左カーブがあって、45制限が待ち構えているからだ。

カーブを曲がり終えると、早くも最初の駅である東寺駅のホームが見えてくる。新人運転士は緊張の面持ちで慎重に制動をとって停車。
東寺から竹田にかけては、数年前に連続立体交差となった区間で、真新しい高架橋の上を滑るように進む。上鳥羽口駅は本線から分岐して島式ホームに停車する配線になっており、本線にはホームがない。上鳥羽口を発車すると鴨川を渡り、右にカーブを切りながら地平へと下って行く。上り線との間に、京都市営地下鉄烏丸線の複線が地下から顔を出してきて竹田駅に到着。
地下鉄からの乗り継ぎ客もあって、ここでほとんどの座席が塞がる。

竹田駅を発車すると、再び高架橋へと駆け上がっていく。上り線との間にある留置線に、3220系が憩っていた。
高架駅の伏見を発車すると急勾配の下り坂。地平を通り越して切通しに突っ込んで京阪本線をアンダークロス。再び地平への勾配を登って丹波橋に到着。新人運転士はまだ勾配の影響が掴みきれていないのか、2度3度と指導運転士がブレーキレバーに手を伸ばして補助している。

丹波橋を出ると、また高架橋へと駆け上がって桃山御陵前。この辺り、アップダウンやきついカーブが多い難所なのはTSでも体感できる。桃山御陵前を出ると下りながらのカーブ区間。ウッカリしていると速度照査付き45制限に引っ掛かるのだが、ここでも指導運転士から的確な指示が出されている。
宇治川を渡ると制限区間も終わり、比較的のどかな沿線風景に一変する。向島では待避線に入って停車し、賢島行き特急を待避。
この辺りから駅間距離が長くなり、線形がいいこともあって普通電車も90km/hまで加速して快走する。
伊勢田を出ると、また高架橋へと駆け上がって大久保に到着。ここでは奈良行き快速急行を待避し、さらに国際会館からの奈良行き直通急行と接続を取る。この両者は竹田駅で相互接続を取っており、なかなか木目細やかなダイヤが組まれている。

再び地平に降りて、早くも稲刈りが始まっている水田を左右に眺めながら、キビキビと各駅に停車していく普通列車。木津川の長い橋梁を渡って新田辺に到着すると、今度は奈良行き特急を待避する。
新田辺を出ると、右側にJR学研都市線が寄り添ってきて併走を始める。あちらは単線だが、JR西日本ご自慢の207系が頑張っており、木津行きの電車が先に行くのが見えた。
そのJR学研都市線との接続駅となっているのが新祝園(JRは祝園駅)で、ここで天理行き急行と接続を取る。

新祝園を出ると、終着の奈良までもう追い越されることはない。木津川台を出るとJR学研都市線をオーバークロスし、京奈自動車道をアンダークロスして奈良県に突入。
奈良県に入って最初の駅である高の原を出ると、急に景色が山がちになって上り勾配に。力行を続けても80km/hで均衡する状態だが、サミットを越えると平城駅手前のカーブに設置されている55制限に向けて減速を開始する。ここでも指導運転士が細かく指示を与えて速度制限をクリアし、平城駅に停車。

急行に乗っていると場内信号に引っ掛かることが多い大和西大寺だが、今日は珍しく(普通電車のダイヤでは前が詰まることがないのかもしれないが)進行現示。奈良線の大和西大寺止まりの普通電車と併走して、大和西大寺駅ホームに進入する。
大和西大寺では運転士が交替。新人運転士の後姿に、無言のエールを送っておく。
車内は、奈良線の普通電車からの乗り換えもあって立ち客も多い状態となり、全区間での最多乗客数を記録したのは最終区間のここから奈良までだった。

交替した運転士はさすがに手馴れたもので、引継ぎを終えるとサクサクと準備をして奈良線の末端区間に向けて発車する。分岐の速度制限が解除されると一気に90km/hまで加速。右の車窓に朱雀門が見える。天気もいいので観光客も多い。
国道24号線をアンダークロスして佐保川の小さな流れを渡り、新大宮に停車。
新大宮を出るといよいよ最終区間。周囲の景色が徐々に上へあがっていって、地下にもぐる。場内信号に引っ掛かって30秒ほど停止し、奈良駅の地下ホームに静々と進入し、停車。

ホームに降りてみると、この電車は降り返し京都行き快速急行になると知ってビックリ。普通に快速急行にと幅広く活躍する編成を労って、奈良駅ホームを辞した。
 




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