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大阪府外周気まぐれ列車
Vol.6:新石切〜石切〜布施〜高安山〜河内山本〜堅下〜柏原
(旧生駒トンネルと信貴山)

高安山からの眺望は絶景!!
高安山からの眺望は絶景!!

注:赤文字部分をクリックすると、新しいウインドウを開いて写真を表示します。

昨年の7月に開始した『大阪府外周気まぐれ列車』は、前回2月10日までの行程で近鉄東大阪線の新石切駅に到達し中断している。残りの行程も少なくなったので、今回のVol.6で終点の柏原駅へ到着する予定だ。



2001年3月31日(土)

1週間ほど前は非常に暖かく、例年より早く桜が開花したのだが、一昨日辺りからまた寒くなった。また、昨夜遅くから冷たい雨が降っており、一旦は延期にしようかとも思ったのだが、天気予報によると雨は昼前に止むらしいので、予定通り出発する事とした。来週になると、桜も散ってしまうかもしれないという心配もある。

約1ヶ月半振りに近鉄東大阪線の新石切駅へやってきた。雨が小降りになるのを待って家を出発したので、既に時刻は11時半を回っている。中断地点としていたホームの待合室に歩を記し、改札を出て『大阪府外周気まぐれ列車』は再開となる。幸い、雨も止んで薄日すら射してきた。
さて今日の行程は、まずはここから同じ近鉄でも奈良線の石切駅まで徒歩連絡。

近鉄東大阪線と併走している国道308号線から新石切駅を見上げると、ちょうど生駒行きの20系が入線してくるのが見えた。ここで一息入れ、生駒への長大トンネルに挑んで行く。
新石切駅の東側にある交差点を左折して、国道170号線の旧道に入る。片側1車線の国道で、交通量が多くて渋滞が発生している。渋滞中で排気ガスまみれの国道を避けて脇道に入ると、石切神社へと繋がる狭い道に賑やかな商店街が連なっている。

しばらく歩いて行くと、不意に左側に石切神社が現れる。鳥居をくぐって境内に入ってみると、多くの人が行ったり来たりしているのが目に入る。何をしているのか?と思ったら、どうやらお百度参りのようだ。私的には、お百度参りというものは夜中に一人で行うものという先入観があったので、これほど多くの人がお百度石でUターンしているのを見ると、マラソンや駅伝の折り返し点を思い出してしまう・・・。(^_^;) 休憩しながら暫く眺めていると、同じ人が同じ場所をグルグル回っている光景がなんだか滑稽で、そんなにグルグル回ってたら、そのうちバターになるで!などと心の中で呟いてしまう。(爆)
取り敢えず、旅の無事を祈願しつつ参拝し、境内をひと回りしてみたが、特にめぼしい物はナシ。と、境内のはずれの静かなところに、野良猫らしき可愛い猫を発見。近くにしゃがむとトコトコと寄ってきたので、喉を撫でたりして相手になってやる。暫くすると子供連れがやってきたので、あとを任せて境内を出る。

再び狭い商店街歩き出す。『大阪府外周〜』では、これまで何箇所か商店街を歩いてきたが、これほど活気のある商店街は初めてで、噂には聞いていたが、正におばぁちゃんのアメリカ村だ。
不意に大仏が視線に入ってきて驚く。「日本で3番目の大仏」という看板が建っていたのだが、何が3番目なのか(大きさ?出来た時期?)は謎だった。
徐々に民家も増えてきたが、まだまだ商店街は続いており、それに混じって占い所も多くなってくる。それにつれて、上り勾配がキツくなってきて、歩く速度も遅くなる。
いい加減疲れてきたところで、前方に近鉄奈良線の築堤が見えてきた。線路際の道はまだまだ上り勾配で、これを上って行くと、漸く石切駅に到着。石切神社で少し遊んだ事もあるが、新石切駅を出てからここまで約45分を要した。



『大阪府外周〜』のルートは、ここから近鉄奈良線で布施へ向かう事になっているのだが、その前に近鉄奈良線の旧生駒トンネル跡を見てこようと思う。

石切駅の横を、更に上り勾配となっている道で通り抜けると、左側に大阪平野の大パノラマが広がる。この光景は、近鉄奈良線の車内からも見え、夜は夜景を楽しむ事が出来る。視線を右に移すと、駐車場の横に鉄道の橋台跡と思われる構造物が見える。恐らく昔の近鉄奈良線は、この上を走っていたのだろう。線路跡と思われる築堤に沿って歩いて行くと、前方に廃トンネルが見えてきた。トンネルの手前には孔舎衛坂駅(という駅だったらしい)のホーム跡も見える。
トンネルは、昔の車両限界だからだろうか抗口がちょっと小さいようにも見えるが、以前はこれを通って生駒へ抜けていたのかと思うと感慨深げになるし、上りホームの一部には白線も残っているので、ホームに立っていれば電車が入線してくる光景が目に浮かばないでもない。
上りホームに立って枝を広げる桜は今がちょうど満開で、良い時期に来たものだと思いつつ、石切駅へ戻った。

再び石切駅に到着したのは12時40分頃。空腹をおぼえたので、また駅を素通りして商店街の食堂へ向かう。かやくご飯定食(かやくご飯+ミニうどん;800円也)で腹を膨らませて食堂を出ると、どうやら雨がパラついたみたいで道が濡れている。幸い、今は雨があがっているので、急ぎ足で石切駅に戻る。



さて、漸く電車での移動となる。(^_^;)
石切駅13時07分発の難波行き準急は、発車後の加速を50km/hまでで終えて惰行に移るが、自然加速しながら右に左にカーブを切りつつ下り勾配を駆け下って行く。下り勾配が終わっても、延々と惰行が続いて60km/h程度で流す感じで走行しているが、遠くに注意信号が見えており、飛ばしても先行の各駅停車を突つくだけになりそうだ。
ノンビリした走行のまま、布施駅に到着。

布施駅は、奈良線と大阪線が分岐する近鉄の要衝であるが、奈良線の電車から降り立ってみると、ホームは島式1面しか見当たらず、外側に通過線はあるものの普通の待避線を有した駅だとしか見えない。しかし、階段を降りてみると、そこには同じ構造のホームがもう1面あって、恐らく知らなければ驚くのだろうが、これが大阪線のホームである。
面白いのが番線(号線)の振り方で、1号線が大阪線下り通過線で、以下、大阪線下り停車線、大阪線上り停車線、大阪線上り通過線、奈良線下り通過線、奈良線下り停車線、奈良線上り停車線、奈良線上り通過線となっており、ホームには2/3/6/7号線の表示しかない。

暫くホームを観察していたら、13時31分発の榛原行き準急が2号線に入線してきた。これに乗っても良いのだが、あとの乗り継ぎが少し忙しなくなるので見送り。しかし、この準急はここで賢島行き特急を待避するので、それを撮影したりなどして過ごす。



榛原行き準急が発車して間もなく、13時34分発の河内国分行き各停が入線してきたので乗車する。
布施駅を発車すると、右に大きくカーブを切って奈良線の高架下から抜け出す。次の俊徳道を出ると地平に降りて、ほぼ一直線の線路を気持ちよく走行するが、弥刀では待避線に入って停車する。後続の優等列車を待避するのだろうと思って運転席のスタフを確認してみると、なんと4分50秒もの停車となっている。ちょっと停車時間が長いと怪訝に思ったが、車掌から特急と急行の2本を待避する旨の説明があって納得。
暫く待っていると、まず名古屋行き特急がけたたましく通過。続いて青山町行き急行も通過し、ポイントが切り換わって漸く出発信号機に注意が現示される。時を同じくして大粒の雨が振り出すが、弥刀を出て高架橋へ駆け上がって久宝寺口に到着する頃には止む。今日は風が強くて雲の流れも速く、お天気が不安定だ。
再び地上へ降りた河内山本駅で下車。ここから近鉄信貴線の信貴山口まで補足往復する事となっている。
近鉄では駅名の旧国名を省略する傾向にあって、河内山本も単に山本と表現されている。



河内国分行き各停の発車を見送っていると、降りたホームの向かい側(1号線)に2連の電車が入線してくる。これが信貴線の電車で、次の発車は13時57分となっている。早速乗り込んで運転席直後に立って、まずはスタフをチェックしてみると、信貴線65km/hと赤で大書されている。この路線は私にとっては未乗線区なので、さてどんな路線なのか?とワクワクしつつ出発を待つ。

定刻に河内山本を発車した電車は、単線の信貴線に入ると、すぐに左へカーブを切って大阪線と別れる。またもや上空から雨が落ちてきて、運転士は空転を憂慮してか慎重に加速を続ける。国道170号線をオーバークロスする頃から雨足が強くなり、霙混じりの大雨になってきた。降りしきる雨の中をのんびりと走って、信貴線唯一の中間駅である服部川に停車。棒線の停留所だが、ホームには50人ほどが列車を待っている。しかし、この電車に乗り込んだのは3名ほどで、どうやら河内山本行きを待っているみたい。
強い雨で前方の展望は良くないが、右へカーブを切ってジリジリと勾配を登って行くにつれ、雨足が弱くなってきた。そして、終点の信貴山口に到着した。
信貴山口は行き止まり式2面1線の終着駅である。しかし駅名票には、まだ先に高安山という駅があるように書かれている。これはどういう事かというと、ここから高安山まで鋼索線(ケーブルカー)が出ているのだ。当初は信貴山口で折り返すつもりだったのだが、鋼索線乗り場で発車を待っているケーブルカーの姿を見ると、乗りたくなってきた。ただ、ひとつここで問題なのは、石切駅の改札をスルKANカードで入場していて、高安山駅はスルKANに対応していないという事。しかし信貴山口駅前の様子も見ておきたいと思い、改札を出て高安山までの乗車券を買う。

駅の外に出てみると雨は上がっており、満開の桜の木が駅前を飾る信貴山口駅は、なかなか良い雰囲気を醸し出している。と、突然なんの前触れもなく稲妻が走って雷鳴が轟く。稲妻と雷鳴の間隔は1秒もなかったので、すぐ頭上に雷雲があると推測される。外に居ると危なそうなので、早々に駅へ戻ってケーブルカーの車内で発車を待つ事とする。



「祥雲」と名付けられているらしいケーブルカーは、車体に可愛いトラのイラストが描かれている。いつ見ても思うのだが、ケーブルカーの車体は平行四辺形に作られているのが面白い。絶対に床の角度と勾配の角度なんて合うハズがないのに・・・。ふと屋根上を見てみると、可愛らしいパンタグラフが乗っかっているのが微笑ましい。
車内に入ってみると、案の定車両の傾斜の方がキツくて、前につんのめったような感じになっている。幸いにしてすいていたので、運転席横の特等席に陣取って発車を待つ。
発車予定時刻(14時20分)の約2分前に運転士が乗り込んで来た。運転士と言っても、ケーブルカーの場合は緊急の際にブレーキを掛けるのが主な仕事で、動かしているのは高安山側にある運転所の作業員である。とはいえ、物々しいブレーキレバーをガチャリと取り付けると、それらしくは見える。

先ほどの大雨が嘘のように晴れてきて、定刻に信貴山口を発車した。時を同じくして、高安山からも信貴山口行きのケーブルカーが発車している事だろう。
深い山の中、急勾配をのんびりと登って行き、中間地点で信貴山口行きのケーブルカーとすれ違う。短いトンネルを抜けると更に勾配はキツくなり、高安山駅のホームに滑り込んだ。

ホームに降りた瞬間、強い冷気が頬を撫で、思わず首をすくめる。僅か7分ほどの乗車だったケーブルカーなのだが、かなり高いところまで運んでくれた。急な階段となっているホームを慎重に歩いて改札を抜けると、穏やかな陽射しが照りつけて気持ち良いのだが、冷たい風が吹きつけているの寒い。
高安山駅は、小さいながらも立派な駅舎で、駅前には信貴山門行きのバス乗り場があるだけだった。桜の木も多いのだが、さすがにここは気温が低いので、辛うじて蕾が膨らんだ状態で開花には至っていない。
ふと横を見てみると、少し高いところに展望台らしきものがあったので、歩きにくい階段を登ってみると、眼下には大阪平野の大パノラマが広がっていた。大阪府の外周を巡る旅の最終日、別に狙った訳ではないのだが、こうして大阪平野を見下ろしていると、少し感慨深げになる。
暫く大阪平野の大パノラマを楽しんでいたのだが、冷たくて強い風に当たっていたので、身体の芯まで冷えてしまった。取り急ぎ駅へ戻って、自販機の暖かい飲み物で暖を取ろうとしたのだが、いつものクセで120円を投入してもランプが点かない。不審に思いながらよく見ると、140円という表示が・・・。確かにここまで商品を運んでくるには、それなりのコストが掛かっているので、止むを得まい。そう思いつつ一服つけながら、暖かいミルクティーで暖をとり、14時50分発となる折り返しのケーブルカーに乗り込もうとホームに出ると、壁に勾配標識が貼り付けられているのを発見。これだけを見ると、いったい何処やねん!と思うだろう。(^_^;)

折り返しのケーブルカーも、運転席横の特等席で前面展望を楽しむ。乗客は私を含めて2名のみで、一般客は1名だけ。
急勾配を下って行く光景を見ていると、大空から地上へと舞い降りるような錯覚に陥る。不意に前方から高安山行きのケーブルカーが姿を見せてすれ違い、のんびりのんびり走って信貴山口駅に戻ってきた。



次の河内山本行きは15時04分の発車となるが、まだ入線していない。手持ち無沙汰にホームをうろつきつつ観察していると、レールの脇に置いてある近鉄独特の速度制限標識が目に入ったのだが、非常に細かい速度制限が掛かっている。そして、車止めの手前には最後の地上子が設置されているのだが、この距離では信号を読み取った時には既に車止めにぶつかっていそうな気もする。(^_^;)
天気も良くなってきたので、ホームに出て列車の到着を待っていると、やがて遠くからモーターの唸りが聞こえてきて、そろそろと入線してきた。列車が到着してみると、ホームはキッチリ車両2両分しかなく、車止めギリギリで停車しなければならない事が解る。道理で停止位置手前の速度制限が細かい訳だ。

信貴山口での停留時間は僅か。定刻に発車した河内山本行きは、のんびりとした感じで走り出す。線路際で犬が2匹、並んでこちらを見ていた。ひょっとしたらレールファンの犬かもしれない。
服部川駅では50名ほど乗車があり、予想してたより乗車率が高かったのは目出度い事。場内信号で一旦停止したあと、河内山本駅1号線に到着。



いよいよ大詰めが近付いた『大阪府外周気まぐれ列車』。列車としては最終ランナーとなる河内国分行き各停は、定刻の15時21分に河内山本駅を発車した。

次の高安で運転士が交替、下車客も多くて車内は閑散としてしまう。
高安を出ると、右に並ぶ電留線に憩う車両を眺めつつの走行となる。国道170号線との交差点(こちらがオーバークロス)にあるのが恩智駅で、高架橋を駆け下りて住宅地の中を突っ切るように走って堅下に到着した。
相対式2面2線の堅下駅だが、改札は地下にあって、どちらの方面に行くにも階段の昇降を伴う。ホームの端には身障者用の出入り口が設けられているが、お年寄りにはちょっと不便ではないかと思う。

さて柏原駅はどちらかと思いつつ、改札を出たところにある案内板に目を向けると、なんと和英中ハングルの4か国語表記だった。西出口の階段を上がると、近鉄大阪線を渡る踏切は交通量が非常に多くて渋滞している。駅前には違法駐車もあるし、せっかくの桜も強風で散り始めている。なんだか落ちつかないので、さっさと柏原駅へ向けて歩く。



持参している近畿道路地図によると、堅下駅上りホーム裏手の道を道なりに歩いて行けば柏原駅に着けるみたいなのだが、住宅地の中の狭い道で見通しが悪くて不安になる。
と、かなり遠いが、前方を黄緑色の大きな物体がゆっくり横切るのが見えた。恐らく大和路線の103系だろうと安心して歩き続ける。
途中、小さな川を挟んだ道を横切る。川っぺりの各所に休憩所などがあり、柳の枝が風に揺れたりして、なかなか良い雰囲気だ。
再び狭い道を歩いて行くと、柏原駅の3/4番ホームの横に出る。線路沿いの道に出て暫く歩くと、柏原駅の東口に到着した。時刻は15時40分、個人的な楽しみで行程を進め、大阪の雰囲気を少しでも味わっていただければとレポートを掲載してきた『大阪府外周気まぐれ列車』は、日帰り6回の行程で目出度くゴールを迎えたのである。
9ヶ月前に、ささやかながら出発式を行ったのと同様に、自販機前で打ち上げ会と称して、お茶しつつ一服。



帰途、JR大和路線の車中で、改めて『大阪府外周気まぐれ列車』の旅を振り返ってみる。ルート作成や行程の検討は鉄分が高いものの、実行段階では街歩きも楽しんだ「外周の旅」は、日帰りに分割して手軽に楽しんだ事もあって、非常に面白かった。

今回は大阪府の外周を辿る旅を行ったのだが、近い内に同様の旅を別の地域で企画したいと考えている。
 

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