インデックスへ戻る
トップへ戻る


嵯峨野保津峡トロッコ列車

風光明媚な保津峡の渓谷を見下ろして
風光明媚な保津峡の渓谷を見下ろして

注:赤文字部分をクリックすると、新しいウインドウを開いて写真を表示します。

嵯峨野観光鉄道は、山陰線の旧線を転用してトロッコ列車を走らせている鉄道事業者である。
私が山陰線を踏破したのは旧線時代(新線開通後にも乗っているが)で、私の乗りつぶしルールでは事業者が変わった場合は乗り直ししなくても可としているので、嵯峨野観光鉄道は改めて乗る必要はない。が、観光に特化して輸送形態が全く異なってしまっており、他の3セク転換路線などと扱いを同じにしていいものか?と、心の片隅にずっと引っ掛かっていた。
・・・という訳で、改めて乗ろうと思う。但し、ルール上の既踏破路線という取り扱いは変更しない。よって、今回は乗りつぶしではなく、純粋に嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車を楽しむ旅である。(本レポートを、1−E.乗りつぶし旅行記ではなくこちらに上げたのもそのためだ)



2004年4月3日(土)

そんなこんなで、京都から山陰線の普通電車に乗って馬堀までやってきた。なんの変哲もない駅だが、鉄道運転シミュレーションゲーム『電車でGo!(初代)』で全国的に有名になり、ウマホリスト(懐かしっ!)なる造語まで生まれたりもした。初代電Go!に採用されていたのは山陰線の旧線で、嵯峨野観光鉄道は電Go!ゆかりの路線でもあるのだ。
馬堀からトロッコ亀岡駅までは徒歩連絡。少し京都側へ戻る格好だが、普通に歩いて5分ほどで、立派な駅舎が聳え立つトロッコ亀岡駅に到着した。ちょうど桜の季節で、嵐山は観光客で混雑するだろうからと、上り始発の嵯峨野2号(トロッコ亀岡9時56分発)を捕まえようと早起きしてやってきたのだが、既に駅前の駐車場には観光バスが5〜6台停まっていて、隣接する土産物屋に群がる人も多い。
そんな光景を横目に駅の入り口へ向かうと、まだ柵が閉まっている。柵の前に、10名ほどの観光客が列を作るでもなくたむろしていたので、自然な感じで徐々に柵に近付き、前から5人目の位置までたどり着いた(爆)ところで、嵯峨野観光鉄道の職員さんがやってきて柵の錠を開け始めた。振り返ってみると、いつの間にか観光客が群がってきており、上手い具合に潜り込んでおいたものだと思う。(^_^;)
柵が開けられ、職員さんに続いて階段を上って行き、更にシャッターが開けられるのを待って駅舎内に入る。ログハウス風の木造駅舎で、なかなか味があってよろしいが、後ろに多くの人が連なっているので立ち止まって周りを見渡している暇はない。土産物屋と喫茶室があるらしい2階を突っ切って、更に階段を上ると3階のコンコースに出た。そのままきっぷ売り場の窓口に並んでひと安心。漸くといった感じで周りを見渡すと、天井が高くて非常に落ち着いた感じの作りである。が、多くの人が一気になだれ込んだので、賑やかな事この上もない。てか、中国人の団体うるさすぎ。なんでそないな大声張り上げる必要あんねん!( ̄△ ̄#)凸
5分ほど待っていると窓口が開いた。そして、乗車券を購入。嵯峨野観光鉄道は、全線600円の均一料金で、基本的に全席指定となっているのだが、立席券も売るみたい。ともあれ、狙っていたリッチ号(窓ガラスなし車)の指定をゲットしてやれやれ。さて、駅舎内を見て回るぞと思ったが、あまりにも人が多過ぎて行き来できない。取り敢えず、売店で何を売ってるかだけ眺めてきた。

9時45分頃、改札が始まった。というより、ホームが開放されたと言った方が適切だろう、乗車券のチェックもなくホームに入る。と、このホームがむちゃくちゃ狭く、3人が並んで歩けるかどうか?という感じ。取り敢えずトロッコ保津峡寄りのホーム端に立ち、嵯峨野1号の到着を待つ。
やがて、嵯峨野1号が静々とやってきた。運転台のついた展望客車を先頭に、一般の展望客車が3両続き、その後ろに窓ガラスなしのリッチ号が繋がっている。そして、編成最後尾がDE10形機関車である。
ところで、嵯峨野1号はほぼ満員の状態でやってきたので、ホームが狭いこともあって乗り降りに手間取っている。ここでの折り返し時間は5分しかないのだが、乗降に時間が掛かって定刻から2分ほど遅れての発車となった。ま、この編成だけが行ったり来たりしているだけの観光鉄道なので、多少の遅れは特に問題ないのだろう。元より、ダイヤには充分過ぎるほど余裕があるようだし。

という訳で、久々にDE10の甲高い警笛を間近に聞いて、ゆっくりとトロッコ亀岡駅を発車。リッチ号には立つ人も多く、大盛況である。
鵜ノ川の細い流れを渡ると桂川の右岸に取り付き、左に保津峡の渓谷を眺めながら勾配を下って行く。車内には観光アナウンスが流れているようだが、窓ガラスのないリッチ号では聞こえづらい。というより、相変わらず中国人の団体が大声で喚き散らしているので、全く聞こえない。まぁ、紹介などなくても景色は存分に楽しめるのだが。
右に左にカーブを切りつつ、保津峡の渓谷美を眺めながらのんびり走っていくと、やがてトンネルに突っ込んだ。非電化単線で断面の狭いトンネルなので、壁面がすぐそこにあってスリリングである。また、トンネル内の冷気は予想していた以上に冷たく、セーターを着てくれば良かったとさえ思うぐらいだった。
トンネルを抜けて暫くすると、山陰線をアンダークロスする。山陰線は、複線電化に際してトンネルでショートカットしてしまったのだが、旧線をこうして観光路線に転用したのはナイスアイデアである。同様の福知山線(武田尾付近)も観光路線に転用できなかったのか?とも思うのだが、あちらには嵐山のような有名観光地がないので集客面で難しかったのだろう。

更にトンネルを幾つか抜け、徐々に下り勾配が緩やかになってトロッコ保津峡駅に到着。昔は相対式ホームで交換設備があったのだが、今は上り線を撤去し、その分を拡張した片面ホームとなっている。しばし停車し、数名の乗降があって発車。この駅で乗り降りする人は、有名な吊り橋を渡ってハイキングを楽しむのだろう。
トロッコ保津峡駅を出ると、またトンネルに突っ込む。先ほどは惰行だったので気にならなかったが、今度は発車直後なのでDE10の排気が鼻をつく。ま、窓ガラスなしのリッチ号ならではのオマケといったところだろう。トンネルを抜けると桂川を渡る橋梁に出、橋のほぼ真ん中で一旦停車する。川面からの高さはそれほどではないが、足元まで柵のリッチ号ではスリル満点である。と、上手い具合に保津峡下りの舟と交差した。見知らぬ同士が互いに手を振り合う。
桂川の左岸に渡ったので景観は右側に移り、左の車窓は山肌が見えるだけとなる。上手い具合に、左右どちらの席からも公平に景観を楽しめる嵯峨野観光鉄道である。右の車窓には、桂川を隔てて嵐山が見えるが、あちこちに満開の桜の木が彩りを添えていた。
ほとんど山を下りきったところで、速度を落としてトンネルに入り、トンネルを出たところで停車した。ここがトロッコ嵐山駅なのだが、ホームが短くて前寄り3両しかホームに掛からない。後ろの2両は、トンネルの中に停車しているのだった。ここで、やかましい中国人の団体を始め多くの人が降り、車内は漸く落ち着いた雰囲気となった。

しばし停車し、出発信号機に進行が現示されるのを待って発車。トロッコ嵐山を出ると、すぐに山陰線に合流する。というか、ここから新線を作ったということになるのだろう。が、嵯峨野2号は山陰線の下り線を堂々と逆走していく。正に右側通行で、違和感大爆発な光景である。と、更に山陰線の京都行き快速電車が追い付いてきて併走という珍奇なシーンまで見せてくれて、終点のトロッコ嵯峨駅に到着した。こちらもトロッコ亀岡駅と同様にホームが狭く、折り返しとなる嵯峨野3号に乗車する多くの人が待っていた。

改札を出ると、土産物屋と喫茶室が併設されたコンコースがあって、きっぷ売り場の窓口には、嵯峨野5号以降のきっぷを求める人が長蛇の列を作っていた。
因みに、トロッコ嵯峨駅はどこかの歴史博物館みたいな立派な建物で、敷地内にD5151号機が静態保存されていた。なお、目と鼻の先に山陰線の嵯峨嵐山駅が位置しているので、こちらから乗車する人(往復乗ったり、帰りは保津峡下りの舟にしたりとか)も多いようだ。


といった感じで嵯峨野観光鉄道を満喫してきたのだが、やはり観光シーズンは混雑が激しく、落ち着いて楽しむことは出来なかった。しかし、観光鉄道として多くの人に親しまれているのは目出度いこと。いつまでも、保津峡の景観とともに活躍を続けてほしいものだ。
但し、トロッコ嵯峨とトロッコ亀岡の両駅は、もう少しホームを拡幅した方が良いように思った。



 ※ 嵯峨野観光鉄道
    運転期間:3月1日〜12月29日(水曜運休;但し、祝祭日や夏休み期間などは水曜も運転)
    アクセス:トロッコ亀岡駅=JR山陰線馬堀駅から徒歩約5分
         トロッコ嵯峨駅=JR山陰線嵯峨嵐山駅隣接
    運賃:全線均一600円(下車前途無効)
    その他、詳細は嵯峨野観光鉄道のサイトをご覧下さい。→ http://www.sagano-kanko.co.jp/
 



インデックスへ戻る
トップへ戻る