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近鉄田原本線に続き、大手民鉄の中にあって孤立路線となっている南海貴志川線の実地見聞を行った。 南海貴志川線は、和歌山と貴志を結ぶ14.3kmの路線であるが、南海は和歌山市まで(JRとの境界は和歌山市〜紀和駅間にある)しか来ておらず、ヒゲ線ならぬ抜け毛線のような様相を呈している。 2001年12月8日(土) この日は、a-linerさん(大阪府在住)が企画/主催する「和歌山近辺胡散臭いもんツアー」なるものに参加したのだが、その中で南海貴志川線にも訪れることとなったので、ついでの取材とした。 さて、南海貴志川線はれっきとした南海電鉄が運営する路線なのだが、他の路線からは完全に孤立している。以前は、和歌山市から紀勢線への直通列車も乗り入れていた南海なのだが、直通列車廃止後は和歌山駅に貴志川線だけ置いてきたような格好になっており、驚いたことに南海電鉄のサイトで路線図のページを開いても載っていなかったりする。 南海貴志川線が発着するのは和歌山駅9番線であり、JR和歌山駅に内包されている。和歌山駅から乗車する際には、JRの自動券売機(一部)で乗車券を購入し、JRの自動改札機と南海への中間改札を通る事となる。JRから乗り換える場合は、中間改札の横にある切符売り場にJRの乗車券を手渡して南海の乗車券を購入する。Jスルーカードを使用する場合は、一旦 出場する必要があるようだ。 一方、南海貴志川線から和歌山駅に降り立つと、中間改札で南海の精算を行って精算済証(磁気化券)を受け取る事となっている。和歌山駅で降りる場合は精算済証で出場し、乗り換え利用の場合は下車駅でJR分を精算すればよい。 では、11時45分発の貴志行き電車に乗車してみよう。 貴志川線は2連のワンマン運転(はいいのだが、わざわざホームにまで書き記すことはないと思うが・・・)。 南海電鉄は直流1500Vを採用しているが、貴志川線のみ直流600Vで残っている。にしてはマズマズの加速で和歌山駅ホームを離れる。暫くJRきのくに線と併走してから左にカーブを切って、住宅地の中に分け入って行くと田中口駅。棒線の停留所であり、勿論無人駅だ。 和歌山駅は和歌山県の県庁所在地駅ながら、隣接する5つの駅全てが無人駅であり、このような県庁所在地駅は全国どこを探してもここだけのように思う。 次の日前宮で、和歌山行き列車と交換。スプリングポイントが設置された無人駅である。やがて車窓には稲刈りの終わった水田が目につくようになり、交通センター前駅に到着。運転免許試験所への足として設置された駅らしく、駅の裏手には子供向けの交通センターが見え、阪堺モ205型が保存されているのも見える。 伊太祁曽には車輌基地があり、中間駅では唯一の有人駅だ。ここで和歌山行き電車と交換。島式ホームには助役が立ってホーム監視と安全確認を行っている。スプリングポイントをガシャガシャ言わせて発車。 暫く走ると車窓にはミカン畑が見えてくる。和歌山県はミカンの産地として有名で、ちょうど収穫間近の黄色い実を枝一杯にぶら下げたミカンの木を見ることが出来た。 そんなミカン山の山裾に取り付いて急カーブを抜けると、いきなり景色が広がって大池遊園駅に停車。以前は交換設備があったようだが、今は棒線の停留所である。駅名にもなっている大池では、釣人が竿を振る光景が見えた。 緩やかな上り勾配を登っていくと、車窓も山里のような感じになる。そして、久し振りに信号機が見えてきて、終点の貴志駅に到着した。 貴志駅は片側ホーム1面1線で、駅舎はホームの横に位置している。関西の民鉄路線では、終着駅は行き止まりになっている事が多いので、ちょっとした違和感を覚える。 貴志駅の駅舎は、小さいながらも風格があってなかなか良い駅だ。駅舎にはコンビニのような何でも屋が隣接しているが、貴志駅売店としても機能しているようだ。 という訳で、南海貴志川線を踏破してみたのだが、乗っているうちに南海であることを完全に忘れ、ローカル私鉄に乗っているように感じていた。もし水鉄が犬鳴へレールを延伸していれば、こんな路線になっていたのではないかな? Part.1で取材した近鉄田原本線に比べ、孤立路線の色合いが濃かった南海貴志川線。 和歌山〜貴志の営業距離は14.3kmなのに、貴志駅ホームには16kmポストが立っていたりする。この謎は、南海貴志川線の歴史を調べてみれば解るのだろうが、ここでは敢えて謎を解明することはせず、紆余曲折があって今の形が残っているものとして認識するに留める。 |