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大阪近郊の鉄道路線図を見ていると、多くの民鉄路線が目に付く。 特に近畿日本鉄道は、日本最大の民鉄会社であり、幹線からローカル線まで、しかもゲージの異なる路線まで保有している。 そんな近鉄に、ちょっと気になる路線がある。西田原本と新王寺を結ぶ田原本線(たわらもとせん)がそれで、西田原本/新王寺駅ともに近くに他路線の駅はあるものの同一駅での接続はなく、独立した駅だ。途中駅でも他路線との連絡がない近鉄田原本線は、大手民鉄の近畿日本鉄道の中にあって、完全に孤立している・・・。 「気になったら実地見聞しよう!」というTTTのポリシーに則り、近鉄田原本線の実地見聞を敢行する事とした。 2001年1月20日(月) 昼から雨という予報が出ており、既に厚い雲が垂れ込めていて気温も低い。 今日は、13時30分から大阪駅でUSJデザイン103系の展示会が行われる事となっているのだが、ちょっと早めに自宅を出発して、近鉄橿原線の橿原神宮前行き各駅停車で田原本駅へ向かう。 例によって運転室直後で前面展望を楽しんでいると、田原本駅の手前で右へ分岐する線路が見える。他路線から孤立している田原本線の車輌は、この線路を通って検査入場や送り込みが行われているようだ。 9時08分、田原本駅に到着。ここで下車して改札を出るのだが、田原本線の西田原本駅とは乗車券の上では同一駅と見なされており、田原本線の各駅へは通しの乗車券で行くことが出来る。私が携えている新王寺までの乗車券も、無事に自動改札を通って出て来た。 小さいながらも機能的な田原本駅の駅前に出て、西田原本への徒歩連絡を実体験してみる。橿原線の踏切を渡ると、既に西田原本駅のホームと時計をあしらったモニュメントが見えている。ゆっくり歩いたのだが、3分もかからず西田原本駅に到着できた。踏切にさえ引っ掛からなかったら、走れば1分も掛かるまい。 乗車取材は9時40分発の新王寺行きを予定しているので、先ほど車内から見た連絡線を見に行く。 橿原線の踏切まで戻って、線路沿いの道を西大寺方面に歩いていく。道路と線路の間には、小さな溝があるだけで遮蔽物は全くなく、思わぬ撮影スポットを見つけて嬉しくなる。しかし、今日は細かい雪がちらつき始めていて撮影どころではないのだが・・・。 線路沿いの道を進めば突き当たりで、左へ曲がって暫く行くと、右側に橿原線と田原本線が接近する部分が見渡せた。更に進むと田原本線の踏切があり、西田原本駅の全景と橿原線への連絡線が分岐する部分が見えた。 細かい雪が雨に変わってきたので、足早に西田原本駅へ戻る。 自動券売機の上に、定期券と特急券は田原本駅で購入するよう案内が出ている。改札を抜けると、1面2線のホームに出る。バリアフリー的には、改札外に階段(4段のみだが)があるのが惜しいと思うが良く考えられた駅で、また清潔感もあってなかなか気分が良い。ホームの壁には、田原本駅までの順路が解り易く案内されており、好感が持てる。 不意に踏切の警報機が鳴り、新王寺からの電車が入線してきた。これが、当駅9時40分発の新王寺行きとなるので、乗車取材する。 近鉄田原本線の電車は3両編成。例によって運転室直後で前方を伺っていると、出発信号機に注意が現示され、定刻の9時40分に発車した。1両当たり4〜5名の乗客を乗せた新王寺行き電車は、のんびりと加速を始めるのだが、降り出した雨の影響で空転が起こる。速度計を見てみると60km/hを指していたが、運転士がマスコンを絞って再粘着すると針は30km/h程度まで降りてきた。慎重に加速して行くと、橿原線への連絡線を分岐して左へカーブを切る。 秋枯れの水田を突っ切って最初の停車駅 黒田に到着。近鉄田原本線はワンマン運転であるが、一般にワンマン運転用として用意されている運転台脇のドアスイッチはなく、運転士はいちいち立ちあがり、鍵を使ってドアスイッチを操作している。その鍵は、走行中は運転台コンソール上の箱に入れられている。また、無人駅でも乗車券の受領はしていないようだった。 予想していたよりアップダウンが多い路線で、発車時には空転が頻発している。雨が降り出したところという悪条件下にしても、あまりにも空転が多いので、低速域のトルクが強すぎるのかもしれない。 単線の田原本線は棒線の停留所が多く、西田原本から3つ目の箸尾までが1閉塞。その箸尾では、西田原本行きの電車が停車して、閉塞が開くのを待っていた。 のんびりとした田原本線だが、各駅で何名かづつの乗客を拾い、終点の新王寺ひとつ手前の大輪田では、座席が埋まって立ち客まで出る状態。しかし、その大輪田で西田原本行き電車と交換する為に4分20秒も停車するダイヤとなっている。さっさと新王寺まで行って、入れ違いに発車させるようにすれば?と思わないでもないが、残念ながら新王寺駅は1線のみという配線だ。 交換を終えると、最終区間に足を踏み入れる。勾配を登って右へカーブを切ると、急に視界が開けてJR和歌山線の線路が左下に併走する。更にJR大和路線をオーバークロスすると、大きく左へカーブを切りつつ勾配を下って新王寺駅に到着した。 新王寺駅はローカル然とした終着駅だが、なかなか雰囲気があってよろしい。レールは繋がっていなくて駅名も異なのだるが、近鉄生駒線の王寺駅に近く、新王寺駅の駅舎を出て真っ直ぐ2分も歩けば近鉄王寺駅に到着。 こちらの駅舎はかなりの年代物に見え、内部も薄暗い。改札口からホームを伺えば、ちょうど10時09分発の生駒行きが発車するところだった。改札を出たところには、新王寺駅への順路が案内されているが、ここではJR大和路線への乗換えの方が便利で、近鉄生駒線の改札とJR大和路線1番線の改札は隣接していた。 という訳で、近鉄田原本線の乗車取材を終えたのであるが、あまり孤立という印象は強くなかった。西田原本/新王寺ともに徒歩約2分で別路線に連絡しているので、JR京都駅の嵯峨野線〜奈良線の連絡よりは近かったりする。 孤立路線という意味では面白くなかったが、のんびりした車窓や瀟洒な西田原本駅などは、なかなか魅力的であり、取材をしてみてそれなりの満足感はあった。 さて、表題で「Part.1」と謳っているように、「Part.2」も企画している。南海貴志川線が対象なのだが、さてさてどうなります事やら・・・。 |