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今年も有馬記念を観戦に中山競馬場へ出掛ける事となった。例によって、せっかく出掛けるのだからとついでの乗りつぶしを考えてみたのだが、既に首都圏には未踏破路線は残っていない。そこで、愛知県に残っている未踏破2路線を乗りつぶして行くことにした。 2005年12月24日(土) 朝から色々乗り継いで、東海道線の豊橋行き特別快速から岡崎駅に降り立つ。2〜3日前に記録的な大雪に見舞われた名古屋地区だが、どうやら寒波はひと段落ということらしく、かなり気温は低いものの雪はほとんど融けている。但し、関が原地区ではまだ雪の影響が残っているようで、東海道線は10分程度の遅れが発生している。 さて、岡崎にやってきたのは愛知環状鉄道を乗りつぶすため。愛知環状鉄道は、岡崎と高蔵寺を結んでいる鉄道事業者だが、元は国鉄岡多線で、未成線だった新豊田〜高蔵寺間を併せて3セク転換したものである。私は国鉄岡多線を踏破済みなので、未踏破区間は新豊田〜高蔵寺間ということになる。 愛知環状鉄道の岡崎駅は、JRの岡崎駅に内包されている。一旦改札を出、乗車券を購入して再入場。最も東側にある愛知環状鉄道専用ホームへ降りていくと、折り返し高蔵寺行きとなる電車が到着したところ。下車する2〜30名の利用者と入れ代わりに乗車すると、車内は適度に暖房が効いていて暖かい。 ◆岡崎(10:44発;愛知環状鉄道高蔵寺行き普通)→八草 定刻に岡崎を発車。所定では接続するはずの東海道線上り列車が遅れて到着した瞬間の発車で、傍目には些か意地悪に思えないこともない。これが3セク転換でなくJRに引き継がれていたなら、恐らく接続を取ったろうにと思う。 ともあれ、右にカーブを切って東海道線と別れると、高架橋に駆け上がる。昭和40年代に建設された路線なので、高架橋と盛り土で道路とは立体交差となっていて、総じて車窓の眺めはよい。住宅地を見下ろして快走していたのが、永覚辺りからは田園地帯となった。 ところで、転換後に新設されたと思しき真新しい駅がいくつかあって、記憶に残っている岡多線よりかなり駅間距離が短い。また、当時は全線単線だったのだが、何箇所か複線化された区間もある。 国鉄時代には、沿線の自動車工場から街へ出たらライバルとなる自動車を貨物輸送していた記憶があるのだが、今ではもう貨物輸送はやっていないようだ。その分、旅客輸送には力を入れているらしく、列車本数は格段に増えて使い易くなっており、岡崎を出た時には閑散としていた車内も徐々に混雑してくる。 名鉄三河線をオーバークロスして新上挙母を出ると、いきなり街並みが広がって新豊田に到着。名鉄三河線を乗りつぶした時と同様、あまりにも急激な車窓の変化に戸惑う。その新豊田では下車する人が多く、車内は一気に閑散となった。国鉄時代にここまでしか開業していなかったのも頷ける光景である。 さて、新豊田を出るといよいよ未踏破区間に突入。これまで以上に田畑や山が多く、明らかに人口密度は希薄である。また、ドアが開いたときに吹き込む風が非常に冷たく、外気温はかなり低くなっているようだ。例によって前面展望を楽しんでいるのだが、レールは単線ながら路盤はずっと複線分が確保されている。但し、今の運行形態では全線複線化の必要はないし、列車本数を増やす必要性も感じない。複線規格で掘られている坑口の広いトンネルを見ると、なんと無駄な投資をしたものかと思う。 とまぁ色んなことを考えながら車窓を眺めているうちに、八草に到着した。ここで、愛知環状鉄道の乗りつぶしを一旦中断して下車する。 八草で下車したのは、改めて書き記すこともないだろうが、現在我が国唯一の浮上式鉄道である愛知高速交通を乗りつぶすため。愛知高速交通は今年開催された愛知万博に併せて開業した路線で、3両編成の列車がガイドウエイの上を数センチ浮いて走る正真正銘の(?)リニアモーターカーである。 八草駅は、万博開催中は大混雑したと聞いているが、今は至って静かなもの。ただ、ホームや階段などは大掛かりな工事中で、恐らくもう不要だからと万博輸送用に作った広い階段やコンコースなどを取り壊しているのだろう。わざわざカネを掛けてまで取り壊すことはせず、そのまま置いておけばいいのにとも思う。 ともあれ、薄暗い連絡通路を歩いて、リニモという愛称で親しまれている愛知高速交通の万博八草駅のコンコースへ向かう。愛知環状鉄道は、万博会期終了に伴って八草と改称したが、リニモは万博八草のままである。 自動券売機で藤が丘までの乗車券を購入すると、何ともド派手な地紋の乗車券が出てきてビックリ。自動改札を通ってホームへ上がると、新交通システムのようなホームドアを備えたガラス張りのホームである。お陰で寒風が当たらず、冬の軟らかな陽射しが照り付けているので暖かい。 暫く待っていると、折り返し藤が丘行きとなるリニモがやってきた。どうやらリニモは無人運転のようだ。 ◆万博八草(11:42発;愛知高速交通藤が丘行き)→藤が丘 例によって先頭車の最前列に陣取って発車時刻を待っていると、不意に発車メロディが鳴ってドアが閉まった。そして、床下からガコン!という何かのロックが外れたような音がして動き出した。 走り出してみると、何とも妙な乗り心地である。これまで色んな乗り物に乗ってきたが、地球からの反発を受けない乗り物は飛行機しか経験がない。飛行機は、地球からの反発は受けないけれど空気の反発を感じる。リニモは、そのどちらの反発も感じないので、乗っていて何となく落ち着かないのだ。 そんな落ち着かない状態ながらも、車窓を眺める。ずいぶん高い高架橋なので、見晴らしは良い。ひと山越えたところで、左の車窓に愛知万博の跡地が広がる。想像していた以上に広い場所で、重機が入って施設の解体作業が行われているようだ。 期間中は大混雑しただろう万博会場駅は、全くの無人で薄気味悪いぐらい。万博公園駅を出ると、左右にカーブを切りながら下り勾配を下って行く。 右にトヨタ自動車博物館、左に中央自動車道の長久手ICが見えてくると長久手古戦場駅で、漸く乗ってくる人が増えてきた。俄かに街並みが広がった杁ヶ池公園でも乗車が多く、立つ人も多い乗車率となる。この辺りから名古屋の都心部に出るには、リニモと地下鉄を乗り継げば便利なのだろう。 杁ヶ池公園を出ると、急な右直角カーブをトロトロと曲がり、急な下り勾配を下って行く。更に急な左直角カーブを切って、はなみずき通に停車。この駅間は近いが、速度が上がらないので酷く時間が掛かる。はなみずき通を出ると地下にもぐり、右に左にカーブを切りながらのんびり走って、終点の藤が丘に到着。地下区間は異様に走行音が静かで、ひそひそ声でも会話が出来るのでは?と思うぐらいだった。 藤が丘駅は行き止まり線2本の島式ホームだが、2本の軌道は平行ではなく、終端に行くほどホームの幅が広い。妙な造りのホームだなと思いつつ、階段を上って改札を出、更に階段を上って地上に出ると地下鉄東山線の藤が丘駅前に出る。実は私、20年ほど前に短期間だがこの近くに住んでいたことがあるのだが、駅近辺は当時の面影がほとんど残っていない。 浮上式鉄道のリニモが地下駅で、地下鉄東山線が高架駅というのが面白いななどと思っていると、地下鉄の駅から運転再開の見込がどうとかいう案内放送が聞こえてきた。どうやら先ほど強い地震があったようで、地下鉄とJRは運転を見合わせて軌道の安全確認を行っているらしい。私のこの後の行程は、ここで休憩がてら昼食を摂ってから八草に引き返し、愛知環状鉄道を高蔵寺まで乗りつぶしてから中央線で名古屋へ出る事としていたのだが、中央線の運行状況がどうなっているか解からないので、取り敢えず行程を前倒して進めておこうと思う。 名古屋から東京までは乗変の効かない『ぷらっとこだま』なので、乗り遅れたら目も当てられない。 ◆藤が丘(12:10発;愛知高速交通八草行き)→万博八草 帰路は上り勾配が続くが、それほど一生懸命登っているようには感じず、これも何となく違和感を感じる浮上式鉄道だった。 八草駅に戻ってみると、先ほどは居た駅員の姿が見えず、自動券売機も見当たらない。代わりにあった乗車駅証明書発行機のボタンを押して証明書を取り、ホームへ降りる。と、意外と多い20名ぐらいが電車を待っている。寒いホームで待つこと暫し、定刻から3分ほど遅れて高蔵寺行き電車がやってきた。 ◆八草(12:31発;愛知環状鉄道高蔵寺行き)→高蔵寺 車内はさらりと座席が埋まるぐらいの乗車率で、結構乗っている。元より座るつもりはなく、例によって前面展望を楽しもうと運転席直後に陣取る。 八草を出るとすぐにトンネルに突っ込む。八草までよりも山がちで、陽の当らない山陰には多くの残雪がある。前面展望を楽しんでいると、後方から車掌が回って来た。乗車駅証明書を渡して高蔵寺までの乗車券を所望すると、なんと駅の自動券売機から出てくるような乗車券が手渡されたから驚いた。車掌が手にしていた端末から発行されたのか、それとも予め何枚か準備されていたものなのか、観察していなかったのでよく解からないが、何れにしても高蔵寺駅で自動改札機を通れる乗車券を発行するという点は、とこぞの鉄道事業者も見習ってほしいものだと思う。 さて車窓の方だが、時折長閑な田園地帯に出るが、山をトンネルで貫くことが多く、やはり複線分の坑口の広いトンネルなので勿体無く思う。瀬戸市はちょっとした街で、名鉄瀬戸線の新瀬戸駅と接続しているが、乗降はそれほど多くなかった。 瀬戸市を出ると長いトンネルで、トンネルを出ると中水野に停車し、中水野を出るとまた長いトンネルだ。やはり新しい路線はトンネルだらけだなぁと改めて思っているうちにトンネルを抜け、高架橋を左にカーブしながら庄内川を渡ると、右から中央線が寄り添ってきて高蔵寺に到着した。 これで愛知環状鉄道の乗りつぶしが完了し、同時に愛知県の鉄道全線踏破達成となった。 さて、この時点で中央線は地震の影響で運転を見合せていたのだが、約40分後に運転が再開されてやれやれ。遅れのセントラルライナー6号で名古屋へ出、更に新幹線に乗り換えて東京へと向かった。 本日の踏破線区:愛知環状鉄道/愛知高速交通 |