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2005年5月2日(月) 7時半過ぎにホテルをチェックアウトして駅へと向かう。雨は上がったが太陽は見えず、気温はそれほどでもないが湿度が高くて非常に蒸し暑い。 さて、今日のターゲットは島原鉄道と長崎電気軌道である。律儀にJRを使って鳥栖経由で行くと遠回りなので、島原までは海を渡ってショートカットする。島原へ向かうフェリーは、熊本港と三角港からそれぞれ出ているが、行程的に都合が良いのは三角港からのフェリー。という訳で、まずは三角線の列車に乗って三角へ向かう。 ◆熊本(8:04発;三角線三角行き普通)→三角 昔は急行[火の山]が豊肥線から直通していた三角線だが、今では完全にローカル輸送に徹しているようで、車内は学生と地元民らしき人が半々。こんなに山がちだったかな?と思う車窓を眺め、1時間弱で終点の三角に到着。 駅を出ると、すぐ目の前に巻貝を模した島原三角フェリーの三角港がある。入り口横のきっぷ売り場で島原までの乗船券を購入し、巻貝の中に入って売店を冷やかしてたりギャラリーを眺めて時間を潰していると、島原からのフェリーがやってきて着岸。これが、折り返し9時10分発の島原港行きとなるので、クルマと共用の橋を渡って乗船。船内は予想以上に立派で、嬉しいことに前面展望も楽しめる。 ◆三角港(9:10発;三角島原フェリー島原港行き)→島原港 いつしか出航時刻となり、おもむろに離岸。海流の速い三角ノ瀬戸を抜け、島原湾に出ると船足が上がる。漁船や貨物船が多く行き交っていて、なかなか賑やかである。 そんなこんなで1時間の船旅を楽しんで、島原港に到着。ここでは甲板から人専用の乗降口で下船。長い長い連絡通路を歩き、階段を降りるとコンコースに出る。ここからは大牟田や熊本にもフェリーが出ているので、三角とは比べ物にならないぐらい大きなターミナルビルが建っていた。 ターミナルビルを出、交通量の多い道をぶらぶらと歩いて行くと、10分程度で島原鉄道の踏切が見えてきた。そして、その踏切まで行ってみると、すぐ横に島原外港駅があった。 島原外港駅は、小さいながらも無人駅ではなかったので、1日フリー乗車券を購入する。2,800円もするが、今日の私の行程でも充分にメリットがあるのだ。 まずは終点の加津佐へ向かうべく、下り列車に乗車。 ◆島原外港(10:58発;島原鉄道加津佐行き普通)→加津佐 やってきた列車は、3セクなどでよく見掛けるワンマン運転の軽快気動車単行。さらりと座席が埋まるぐらいの乗車率で、意外と乗っているなぁと思いつつ、前方が見える位置で立って車窓を眺める。 暫く民家の裏口を掠めて走り、安徳を出ると急に景色が開ける。左の車窓遠くには島原湾が見えるが、視線はどうしても右の車窓を占める雲仙普賢岳に吸い寄せられる。1990年から1994年に掛けて、火砕流・直下型地震・降灰といった活発な火山活動を起こした雲仙普賢岳。深江駅ホームには、火砕流の直撃で消失した大野木場小学校の写真パネルが掲示されているのを発見し、妙に心が痛む。今乗っている島原鉄道も、路盤流出など甚大な被害を受けたのだが、1997年に復旧。現在では、普賢岳を売り物にした観光トロッコ列車まで走らせている。決して経営状態は楽ではなく、復旧に多大な費用が必要だったとのことで一時は廃止の声も上がったらしいが、現状ではなんとか存続に向けて地域全体で取り組んでいるんだとか。 色々考えさせられることが多い島原鉄道だが、深江を出ると普賢岳は視界から消え、どこにでもあるようなローカル鉄道の趣となる。左にあるはずの島原湾も、意外と建物が建て込んでいてなかなかその姿を見せてくれない。西有家を出た辺りで漸く砂浜が見えたが、それもあまり長くは続かず、山林と畑の中を淡々と走って行く。 島原外港から1時間強、終点の加津佐に到着した。ホームは片面1本のみだが、使われていない側線が2本ある。小さな平屋の駅舎はあるが無人駅らしく、運賃は車内で精算。運転士に1日フリー乗車券を示して降りようとすると、整理券は?と聞かれる。島原外港から乗ったけど整理券は取ってないと答えると、整理券は必ず取って下さいなどと言う。1日フリー乗車券というものは、どこから乗ろうがどこで降りようが有効な乗車券である。つまり、1日フリー乗車券を持つものには、整理券は全く意味がない代物なのだ。なのにわざわざ持たせようとする意図が解せない。その点、突っ込んでも良かったのだが、郷に入りては郷に従えとも言うし、ハイハイと答えておいた。 駅前からは諫早行きのバスが出ており、列車で行くより近くて早いのだが、諫早〜島原外港間が未踏破なのでバスでショートカットする訳にはいかない。これといって見るところもなさそうな加津佐駅近辺をうろつき、何とか見つけたコンビニで食料を確保して貪る。ここで食べておかねば夕方まで飯抜きになるところだった。 ◆加津佐(12:33発;島原鉄道諫早行き普通)→諫早 26分停留の折り返し諫早行きに乗車。ゴチャゴチャ言われたくないので、意味ねぇのになぁとか思いながらも整理券を取っておく。 片手で数えられるぐらいの乗客を乗せて島原を発車した列車は、各駅で数人ずつ乗ったり降りたりしながら、淡々と走って行く。島原外港を過ぎると未踏破区間、次の南島原には検車設備があって、旧国鉄色のキハ20が憩っているのが見える。非常に懐かしく思う姿だが、今でも朝夕のみではあるが定期運用で活躍しているらしい。 島原の街並みを抜け、大三東では島原湾を間近に望む。多比良町では、今年3月のツーリングで利用した有明フェリーへの乗り換え案内の看板が見え、ここから先は見覚えのある光景がちらほら。 いつしか車内は立つ人も多い乗車率になってきた。右に有明海、左に田畑を眺めながら、国道251号線と併走。と、有明海に諫早湾潮受堤防の威容が見えてくる。諫早湾の干拓事業については、有明海の水質悪化など多くの問題が報じられているが、こうして実際に目の当たりにすると、こんなにカネを賭けてまでする必要があった事業なのかという疑念を抱かざるを得ない。潮受堤防を過ぎると、右の車窓は干拓地らしき田畑が広がる。乗車率は更に高くなって、単行レールバスはほぼ満員。終点一つ手前の本諫早で多くの乗降があって驚くが、実は諫早駅よりこちらの方が市街中心部に近い。 本諫早を出ると短いトンネルを2つ抜け、右にカーブを切りながら長崎線に寄り添って終点の諫早に到着。加津佐から2時間半もの乗り詰めはさすがに疲れたが、ともあれこれで島原鉄道は踏破完了である。 さて、島原鉄道はJR諫早駅の片隅に発着していて中間改札もないようだ。そんな訳で、運転士に1日フリー乗車券を提示しつつ不要なはずの乗車整理券を運賃箱に放り込みながら下車。運転士は精算済証を渡そうとしたが、ここから先は九州ゾーン券が使えるし、諫早では改札を出ずに乗り換えるつもりなので受け取らず。大声で呼び止められたが、「要らん」と答える。そもそも、1日フリー乗車券があるのだから精算済証も不要ではないか。どうも、ムダに紙を使いたがる島原鉄道である。 ともあれ、次のターゲットは長崎電気軌道なので、長崎行き特急[かもめ25号]に乗り換え。 ◆諫早(15:32発;長崎線長崎行き特急[かもめ25号])→浦上 GW期間中なので混雑を予想していたが、平日だからか楽勝で着席出来た。約3時間半も島原鉄道に付き合った直後なので、[かもめ]はあまりにも速くて新幹線に乗っているかのように感じる。特に、喜々津から先の新線区間はトンネルだらけなので、よりいっそう新幹線っぽい。 終点の長崎を目前とした浦上で下車。長崎電気軌道には、長崎だけでなく浦上でも連絡しているので、こちらから乗りつぶし行程に入る。 長崎電気軌道は、どこまで乗っても1回100円という非常にリーズナブルな運賃設定となっているのだが、500円で1日乗り放題となる1日乗車券も設定されている。が、浦上駅前電停は単なる電停で、乗車券を売っているような気配がない。そこで、駅前の観光案内所で1日乗車券は何処で買えるのか聞いてみると、何のことはないJRの駅でも買えるらしい。という訳で、駅へ戻って窓口で所望すると、なんとマルスで発券されたから驚いた。 4つの系統で運転されている長崎電気軌道は、そのほとんどが併用軌道で、専用軌道は浦上車庫前付近の1kmほどのみ。クルマやバスと肩を並べて健気に走る路面電車は、乗っていて非常に楽しいのだが、改めてレポートに書くこともないのが正直なところ。ここから先は行程のみ記述とさせて戴く。
夕闇近い長崎駅前に到着したところで、長崎電気軌道の踏破完了。同時に、長崎県の鉄道全線踏破達成となった。 さて、三角屋根とステンドグラスが印象的だった長崎駅舎だが、いつの間にか商業施設が入った巨大な駅ビルが建っていて、なんとも旅情が沸きづらい駅になってしまっていた。今宵の宿は、その駅ビル内にあるビジネスホテルを予約してある。駅ビル内の中華レストランで長崎ちゃんぽんを食し、ホテルにチェックインした。文句を言いながらも、ちゃーんと利用はしているのである。 本日の踏破線区:島原鉄道/長崎電気軌道 |
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